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物盗られ妄想

認知症の方の中には、理屈に合わない考えを信じ込んでしまい、自分が片付けこと自体を忘れてしまい「盗まれた」と騒ぐことがよくあります。

これは認知症の症状で良くみられるもので、「ここに物があった」という過去の記憶と、「今ここにない」という現在の状況との間をつなぐ記憶がすべてなくなってしまうことで起こることが多いようです。認知症の人の心理のひとつである「被害感」と「物忘れ」が重なって起きるために、このような物盗られ妄想などの被害妄想が起きやすくなると考えられます。単純に記憶をうめるため、前後のつじつまを合わせるたためだけに「盗られた」という一方的な妄想に結び付けてしまうのでしょう。

しかも、悪いことには、毎日介護している家族や周辺の方が「盗んだ」とする被害妄想のケースが多いのが特徴です。

一生懸命尽くしている介護者にとっては、身に覚えのない疑いをかけられるために、暴言や暴力と同じく、混乱してパニックになり、必死で疑いを晴らそうと否定したり、言い返したりすることがあります。でも、このような感情的な対応は逆効果に終わる場合が多いのも事実です。とても傷つくことですが、ぜひ冷静に話を聞いて対処してあげてください。

単純に本人が忘れてしまっているだけのこともありますが、本当に探しているものが見つからなくて困っている場合もあります。そういうときは、一緒になって探してあげましょう。そして、本人が片付けてしまっていた場合や片付けたことを忘れてしまっていた場合だったとしても、”見つかったこと”を一緒に喜んであげること、そのくらいの気持ちのゆとりをもって対応することが大切になってきます。


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