“認知症介護の悩み”について、認知症ケア専門士が事例とともにわかりやすく解説しています。認知症の症状や知識、予防から介護の方法まで、知っているようで知らない「認知症」を紹介するサイトです。

お悩み3.自分の家なのに…

自分の家にいるのに、家に帰りたがります。このままでは、一人で家を飛び出してしまうのではないかと心配です。どのように予防したらいいでしょうか?

[お悩み事例]
認知症の妻は、本当の家は遠くにある実家だとずっと思い込んでいます。「外に出る」「家に帰る」と言っては、出かけようとします。そのため、私は妻が帰りたがるたびに、「ここがお前の家だよ」と説得するのですが、なかなか分かってもらえません。

一人で家を飛び出してしまって、事故にでも遭わないか、と心配です。何か良い予防策があったら教えて下さい。

解説

認知症の方は、自分が一番輝いていた年齢に戻ってしまうことがあります。

もしかしたら、今のお家は、その頃の奥様のお家ではないのかもしれません。その当時の奥様の目線で見ると、「この家はどなたか他の人の家だから、そろそろ自分の家に帰らないといけない。家族も心配するし。」と考えていらっしゃるのがわかります。

そこで、強引に奥様を引きとめて、「ここがお前の家だ」と言ってしまったら、奥様は「この人は私を誘拐しようとしている。悪い人だ。」と認識し、逆効果となってしまうかもしれません。その場合は、奥様が戻った時代に話しを合わせて、「ご家族から連絡があったので、今日は安心してこちらに泊って下さいね。」と伝えてみてはどうでしょうか?あるいは、一度一緒に外出して、奥様が「あら、どこだったかしら?」と家の帰り方が分からなくなったら、スーパーで買い物でもして、気分転換をした後に帰宅してみてください。「家に帰らなきゃ」と思っていたことは案外ケロッと忘れているかもしれませんよ。


解説者の経歴: 鶴田 美樹 (Tsuruta Miki)

大学在学中、福祉を専攻。卒業後、医療・福祉に特化した人材派遣会社に就職。いち介護スタッフとして、数々の老人系施設に派遣され、介護現場(養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ディサービス、訪問介護など)を経験。
たくさんのお年寄り(ご入居者)やそのご家族と接し、様々な生き方、想いに触れる。

5年間の現場経験後、自社運営の認知症グループホームの施設開設準備室に異動。行政対応、現場スタッフ採用、入居者募集などを行う。グループホーム開設後は、介護リーダーを務め、スタッフ育成をはじめ、ご家族対応や入居相談業務を行う。

介護現場での勤務の傍ら、会社本部の教育研修部のアシスタントマネージャーの役職を担う。現場経験の少ないスタッフや社員のスキルアップやメンタルフォローなど約3年間行う。
【保有資格:認知症ケア専門士、社会福祉士、介護福祉士】

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