“認知症介護の悩み”について、認知症ケア専門士が事例とともにわかりやすく解説しています。認知症の症状や知識、予防から介護の方法まで、知っているようで知らない「認知症」を紹介するサイトです。

お悩み6.老々介護状態に困っています

認知症の夫の介護をしていますが、私自身も高齢になり、いわゆる“老々介護”状態です。最近、私の体調が思わしくなく、一人で夫の介護をするのに限界を感じてきました。近くに頼る親戚もいないので、困っています。

[お悩み事例]
今年85歳になる夫は、5年前から認知症の症状が表れ、これまで私が一人で介護をしてきました。主人は日中は私の介助でなんとかトイレに行けるのですが、夜間はオムツです。

私も高齢になってきて、持病の腰痛が悪化したこともあり、これまで通り主人の介護を一人でやっていけるのか、不安になってきました。二人の息子も遠くにいるため、頼ることができません。

近所の方に相談したら、介護保険を受けるよう勧められましたが、これまで一人でやってきたことが台無しになってしまう気がして、なかなか一歩が踏み出せません。アドバイスお願いします。

解説

奥様は5年間もご主人様の面倒をお一人でみてこられて、大変だったこともたくさんあったことと思います。それでも何とか二人で乗り越えてきて、ご主人様も奥様にとても感謝されていることでしょう。

そろそろ一息ついてみてはいかがですか?

老々介護で苦しんでおられる方はたくさんいらっしゃいます。無理をしてしまうと、夫婦一緒に入院、ということにもなりかねません。近所の方も勧めて下さっているようですし、私も、介護保険の申請をお勧めします。

初めて介護保険を受ける場合は、誰でも気兼ねや遠慮、拒否などがあり、簡単には受け入れられないかもしれません。ですが、借りる手は、多い方が楽ですよ。

ヘルパーさんが来ている時や、ご主人様がディサービスに行かれている時は、一人の時間ができます。ゆっくり買い物したり、家でのんびりしたり、趣味を復活することもできるかもしれません。また、その時間を利用して、病院に行って、奥様の体調管理に気をつけることも重要ですね。

介護者の身体的・精神的健康が、在宅での介護の基本とも言えます。


解説者の経歴: 鶴田 美樹 (Tsuruta Miki)

大学在学中、福祉を専攻。卒業後、医療・福祉に特化した人材派遣会社に就職。いち介護スタッフとして、数々の老人系施設に派遣され、介護現場(養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ディサービス、訪問介護など)を経験。
たくさんのお年寄り(ご入居者)やそのご家族と接し、様々な生き方、想いに触れる。

5年間の現場経験後、自社運営の認知症グループホームの施設開設準備室に異動。行政対応、現場スタッフ採用、入居者募集などを行う。グループホーム開設後は、介護リーダーを務め、スタッフ育成をはじめ、ご家族対応や入居相談業務を行う。

介護現場での勤務の傍ら、会社本部の教育研修部のアシスタントマネージャーの役職を担う。現場経験の少ないスタッフや社員のスキルアップやメンタルフォローなど約3年間行う。
【保有資格:認知症ケア専門士、社会福祉士、介護福祉士】

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